社長の部屋

President's room

社長の部屋

茶の心とおもてなし

コーヒーではだめなんですか/其の六 「茶筅 ちゃせん」

茶筅は、茶を点てる道具の中で一番大事なものと、私は思っています。
奈良県生駒市高山町 日本の茶筅の8割~9割を生産するそうです。
長さ12cm弱、竹の根元側が穂先になっていて、穂の数が16本から120本まで、
外穂の数なので内穂と合わせれば、その倍になります。
何とも言えない形状で、穂先が柔らかく内側にカーブしています。

ちゃせん

茶を点てる前に必ず湯を用い、茶碗を温めると同時に穂先を湯に馴染ませます。(茶筅通し)
茶筅を上下するのは、穂先を目前で、改めて折れや汚れがないかを確かめるためにするそうですが、
たまにお茶をいただくと穂先が入っていたりします。

自宅で使っている茶筅は、数穂(72本の穂の数)です。
最初の頃は、茶を点てると穂先が斜めに曲がってしまい、義母が言うには、振り方が悪いからだそうです。
「こういう風に振りなさい」というのですが、なかなか癖は直りません。

そんな茶筅が、不思議なことに茶会の道具拝見には入っていません。
技術の結晶であるのにもかかわらず、消耗品だからでしょうが、私には納得できません。
茶杓(ちゃしゃく)はなくても、茶は点てられます。
茶は、どんな茶碗でも点てられますが、茶筅は無くてはなりません。
お抹茶をこんなにも美味しく頂けるようにしてくれる茶筅に、私はいつも感謝しています。

そして、今日も穂先が曲がらないようにと祈りながら、振っています。

(代表取締役 増田 敏政)

PAGE-TOP