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相続税の気になるあれこれ

今回のご質問

Q.相続税のかからない財産があると聞きました。具体的な内容を教えてください。

 

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■お墓は非課税
一般的な墓地や墓石は「日常礼拝している物」として非課税となります。ただし、美術品としての価値のある仏像や金で作った仏具などは課税されますのでご注意ください。

 

■生命保険金も非課税枠あり
亡くなった方が負担し、相続人が受け取る生命保険金は、相続人1人あたり500万円の非課税枠があります。意外とこの非課税枠を活用していない方が多く見受けられますので、ご自身の生命保険契約を確認していただくとよいでしょう。

 


■葬式費用も控除可能
非課税ではありませんが、葬儀にかかる費用についても相続財産から控除できます。葬儀ではお布施など領収書が出ないものもありますので、「いつ、誰に、いくら」支払ったかしっかりメモしておきましょう。

 


Q.相続税の申告手続きも自分でやってみたいと考えているのですが、可能でしょうか?

 


■オススメできません
相続税の申告は財産をまとめれば自分でできないこともありません。ただ、相続税を減らせる様々な特例を見過ごすことも考えられますので、やはり税理士に依頼することをオススメします。正直なところ、自分で申告をするより税理士への依頼額ぐらいは相続税を安くすることができるのではないかと思います。

 

■「争族」に注意

相続に関して、相続人の間でどのように遺産を分割するかを決める「遺産分割協議」を行う必要がありますが、法務省の統計を見ると、遺産分割の訴訟は意外と少額の財産の場合に発生件数が多くなっています(発生割合は不明)。相続税が発生しないため、税理士や弁護士という第三者が入らないことが争いの多い一因かもしれません。

 

 

 

ー最近の事例ー


■相続税の申告件数は増加
平成27年からの相続税の基礎控除4割減少により、相続税の申告を行わなければならないケースが大幅に増えました。平成26年には56,239人(亡くなった方の4.4%)が相続税の申告対象となっていたのに対し、平成30年は11万6千人(同8.5%)と倍増しています。首都圏に土地建物を有している方が亡くなった場合は、相続税の申告が必要になると考えてください。

 

 

■税務調査にも注意
相続税は他の税金に比べて税務調査の比率が高くなっています。税務署は亡くなった方がどの程度の財産を有しているかの情報を持っており、その金額と相続税申告の財産額との間に乖離があると調査に入ってくる印象です。そしてほとんどの場合、追徴課税があります。

 


■税務調査対策は?
税務調査では過去10年前まで遡って預金の流れを調査します。このため、以下のことを心がけてください。

・預金通帳は捨てずにすべて保管しておく(申告が終わっても7年は保管!)
・多額な支出(50万円~100万円以上が目安)のときは「相手先と支出内容」を通帳に記載しておく

最近多くなってきたWEB通帳の方は毎月PDFでクラウド上にメモと一緒に保管しておくと良いでしょう。
リフォームなどの工事費用も場合によっては相続税の申告に必要となるので、メモと併せて見積書・請求書や工事内容なども残しておきましょう。
 

 

回答者:税理士 生田目 宗忠

 

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