【不動産の健康診断】どのようなことを調べるの?
[20.10.15]
今回は、不動産調査についてご説明いたします。一言で調査といってもどのようなことをやるのか、どこまでやるのかがわかりづらい部分があると思います。
不動産調査は主に三つのステップに分かれます。
①机上調査 ②現地調査 ③行政調査
ひとつずつ、ご説明してゆきます。
①机上調査
机上調査は主にホームページ等で調査可能な事項を調べます。
✔確認すること
・登記簿謄本の内容
土地や建物にはそれぞれ『登記簿謄本』と呼ばれる、基本情報が記載された書類が備えられています。地積や所有者の他、その土地が担保になっていることを表す「抵当権」などの情報が登録されているものがあります。これを閲覧することで、相続登記がなされているか、私道の持分を所有しているか、抵当権がついているかなどを調べます。
・取引事例の調査
調査物件が一般的にどれくらいの価値があるのかを調べます。過去に近隣で調査物件に類似した土地がいくらで取引されているか、また現在販売中の物件の価格帯を調べることで、おおよその価値を調べます。
②現地調査
現地調査は実際に現地やその周辺を訪問して調査を行います。
✔確認すること
・接道の状況
建物の建築には原則として「土地が4m幅員の道路に2m接道していること」が条件となります。そのため、現地でテープ当たりを行い、再建築が可能か調べます。
・越境がないか
樹木の枝や建物の軒などの越境がないか調査します。越境の度合いやそれが解決可能なものなのか、現地で確認を行います。
・近隣環境調査
近隣に地図ではわからないような、騒音・振動・臭気をもたらす施設などがないかを確認します。また、最寄駅までの道など、場合によっては実際に歩いて調査を行います。
③行政調査
行政調査は役所の窓口にてその物件に係る法律等を調査します。
✔確認すること
・法令に関する調査
その物件に係る都市計画法・建築基準法について調査を行い、その土地で建てられるものやその規模について調査します。場合によっては原則建物が建てられない地域などもあるので、窓口の担当者に相談し、どのような活用法があるのか調査を行います。
・インフラ調査
その物件の道路や上下水道について調査を行います。前面道路が公道か私道か、敷地内に何㎜の水道が敷きこまれているのかなどを調査します。
・災害調査
ハザードマップを取得し、洪水や内水の危険性を調査します。また、浸水履歴なども調べます。
以上の机上調査・現地調査・窓口調査の結果を総合的に判断し、その物件の活用方法や査定額、また問題点やその解決方法の提案などを行わせていただきます。不動産の問題点は、長年その場所に住み続けた人でも調査をして初めて問題点に気づいたという人も少なくありません。
私たちが毎年しっかり健康診断を受けるように、不動産にも健康診断が必要です。
近いうちに不動産活用を考えている方はもちろん、所有する不動産に少しでも不安を感じている方は、不動産調査をお勧めいたします。
のぐち
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