増木コンサルマガジン

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一級建築士のお仕事は...

古代ローマ時代の建築家ウィトルウィウスは「建築十書」の中で

「願わくは、建築家は文章の学を解し、描写に熟達し、幾何学に精通し、
多くの歴史を知り、務めて哲学者に聞き、音楽を理解し、医学に無知ではなく、
法律家の所論を知り、星学あるいは天空理論の知識を持ちたいものである。」

と記しています。実に無茶ぶりです。

大学時代この言葉に感銘をうけた私は、建築家になるべく、
建築と関係ないことに広く興味を持つように努力しました!
(建築の勉強をほどほどに遊び歩いたと解釈していただいても結構です)
関係ないことに広げ過ぎたため、建築士になっても建築家になれていないと
解釈していただいても結構です。

御存じのように建築士は家を建てることがお仕事です。
もう少し詳しく言うと建物を建てるための図面を書くことがお仕事の一部です。
ウィトルウィウスの言葉を直接的に受ければ、
「建築するためには色々と知っていた方が良いですよ~」と言う感じなのですが
間接的にとらえれば、「色々なことに目を向ける癖をつけろよ」と
言っているような気もします。

例えば、お客様から工事中に
「洋室の部屋をもう少し広げたいのでこのトイレ壁移動できませんか?」
と変更の相談が来たときに考えるのは、構造、法規、性能、金額、使い勝手。

具体的には

 ①壁を移動して構造的に問題ないか?
 ②洋室の法的な採光・換気は足りるか?変更申請が必要?
 ③洋室・トイレの照明、コンセントの位置を変更する必要があるか?
 ④壁が移動したことによって扉の開き勝手に影響はないか?
 ⑤壁がずれるとトイレを動かす必要がないか?
 ⑥トイレの給水・排水・コンセントの移動が必要ないか?
 ⑦洋室・トイレの床、壁、天井の面積変更で仕上げの金額の増減は?
 ⑧トイレの吊戸の幅も小さくしないとダメ?
 ⑨そもそも工期は間に合うのか? etc…

壁一つの変更で目を向けることは膨大です。


心の中では「えー、まじですか??」と思うこともしばしば。
でもこれから何十年も住む家ですから、思いついたらすぐに言ってくださいと言っています。
検討した結果、変更が不可能な場合もあるのですが。頑張ります。

 

え?そんなに変更に手間がかかるのなら、変更の依頼には腹を立てているのでは無いかですって?

そ、そんなことはありません。
建築士のお仕事は腹をたてることではなく、家を建てることですから。なんてね。

 

 

 

一級建築士 宮﨑

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